医療ミスで失った指が治る日まで

医療過誤で熱傷三度のやけどを負わされました。治療のこと、裁判のことをたんたんと。

はじめに

あの日、医療ミスにあってから、もう半年以上が経ちます。

わたしの左人差し指は、切断したときと同じほどのダメージのヤケドを負いました。今まで感じたことのないようなもがき苦しんだ痛みと、当時生後七ヶ月のこどもを抱えての治療の日々は辛くて、ただただ治るものだと信じて、夫に支えてもらいながら過ごしてきました。

今はえぐれたようになくなった指もほとんど形は回復しました。でもケロイド状に残り、硬く触れると痛みがあり、感覚も違和感があり、ほとんど使えていません。意識して使おうとはするのだけど、使いづらく痛みもあるし、長い時間使わないことに指が慣れてしまいました。

事故当日は、「ちょっとやけどを負わせてしまいました」。三日後、「完治まで一ヶ月はかかるかも」。一ヶ月後、「完治まで三ヶ月はかかるかも」。 三ヶ月後、「完治まで一年はかかるかも」。そして、きのう、九ヶ月経って。「何十年かしたら治ります。痕は残るでしょうが。。。」もらったのは、気休め程度のビタミン剤と保湿剤でした。

もうほとんど治らないということを言葉では言えないのだと思いました。

医療ミスでこんな目に遭い、恨んだり責めたりしたい気持ちもあったけれど、同じ病院で治療してもらってきたので、いつも笑顔を作って通院をしていました。いつも感謝の言葉しか言えませんでした。そのことでフラストレーションも溜まっていたけれど「治すことに専念しよう」と、ずっと考えることに蓋をしてきました。でも、もう治らないと判った今、治ることを信じるのはもうやめて、終わりにしようと思います。

 

今まで日記に書きためていた事故のこと治療のことと、これからはじまる裁判のことを記していこうと思います。